教育改革を実践した先生の本の紹介(1-2)勉強することとクラスのあり方
「はじめに」を読んで興味を持ったら、ぜひ本を手に取って読んでいただきたいですが、一部だけここでご紹介します。
【宿題は必要ない】
●宿題の「目的」は、分からない→分かるようにすること。
●繰り返すことで定着させるにしても、「自分の特性に合った方法」がよい。
●宿題が通知表の「関心・意欲・態度」の評価に使われてしまっている。
【中間・期末テストも廃止】
●定期考査の「目的」は、学力の定着を図ること。
●実態は通知表をつけるために使われている。
●年5回、中間テストは主要5教科、期末テストは副教科4教科を加えたパターンの学校が多いが、法律や教育委員会規則等で定められているものではない。
→定期テストの代わりに、単元テスト(各単元が終わった後のテスト)、と実力テスト(出題範囲が示されない)を実施
●通知表は絶対評価なので、全員に「5」がつくこともあり得る。
評価は入試に使われるため、先生からいい評価をもらうために宿題をしたり、テストを受けたりしなければなりません。「勉強する」意味がわからなくなる子どもが出てくるのも当然です。
他にも、「クラス担任制の廃止」「体育大会のクラス対抗をやめた」という話など、とても興味深い点がありますので、詳細はぜひ本をお読みください。
春のクラス替えで一喜一憂する子どもがたくさんいます。クラス分けは先生方にとってもいろいろな点を考慮しなければならないため大変な作業だと思いますが、クラスにしばられる行事のあり方を見直せば、先生も子どももお互いに負担が減るのではないでしょうか。
たまたまクラスがいっしょになっただけの人たちと、たまたま当たった先生のやり方のもと、心を1つにして何かをやり遂げなければなりません。
1度だけならまだしも、1年の間に何回もとなると、居心地の悪い思いをする子どもがいても不思議ではありません。
大人だって、自分からすすんで手をあげたものではない限り、心を一つにしようなんて思わないでしょう。
学校の中の「当たり前」は、社会では必ずしも「当たり前」ではない。
手段が目的になってしまっていないか見直しが必要です。