教育改革を実践した先生の本の紹介(1-1)
教育改革。課題が大きくて難しいもののようですが、できることから少しずつ始めている先生方がいらっしゃいます。メディアで取り上げられていることも多いですが、ご自身が書かれた本を読むと、全貌がわかります。
まとめて見る機会がなかなかないので、このブログで少しずつ紹介していきたいと思います。
まず初めに、工藤勇一先生。
「学校の「当たり前」をやめた。~生徒も教師も変わる!効率名門中学校長の改革」(時事通信社)
「はじめに」より、重要と思われるポイントを抜粋していきます。
『注目されている取り組みの中には、「服装頭髪指導を行わない」「宿題を出さない」「中間・期末テストの全廃」「固定担任制の廃止」などがあります。』
民間出身の校長先生ではありません。教員、教育委員会の仕事を通して考え続けてきたこと、
『「目的と手段を取り違えない」
「上位目標を忘れない」
「自律のための教育を大切にする」』
という基本的な考え方を軸に、「当たり前」とされてきたことを見直した結果だそうです。
『学校は何のためにあるのかーー。
学校は子どもたちが、「社会の中でよりよく生きていけるようにする」ためにあると私は考えます。
そのためには、子どもたちには「自ら考え、自ら判断し、自ら決定し、自ら行動する資質」すなわち「自律」する力を身に付けさせていく必要があります。
社会がますます目まぐるしく変化する今だからこそ、この「教育の原点」に立ち返らないといけない』
今の日本の学校の問題は、
『「手段が目的化」してしまっているからだ』
『例えば、国が示す学習指導要領は、大綱的基準にすぎないのですが、多くの教員はこれを「絶対的基準」と考えがちです。』
『学校教育は多くの法令等で規定され、廃止することができない部分もあります。しかし、大半の部分は、法令よりも「慣例」によって動いているだけです。』
そして、
『あなたには「あなたのできること」がある』
『学校という存在自体も「手段」の一つにすぎず、「目的」ではありません。』
『教師は、人材育成のプロであるはずです。』
『学校が変われば、社会は必ず変わります。』
早く先が読みたくなる、希望に満ちた言葉です。