新しい時代を生きる子どもたちへ、大人ができること

孫には新しい共育を受けてもらいたい、子育ての反省と思いと展望

世田谷区立桜丘中学校長の取り組み

東京都の話なので、全国に広がるにはまだまだ時間がかかりそうですが、またすばらしい教育改革をされている校長先生がいらっしゃいます。

世田谷区立桜丘中学校校長、西郷孝彦先生です。

残念ながら著書がないようですので、ネットから集めた情報になります。

SNSやブログなどでよく取り上げられているのですが、まだまだ知らない人もたくさんいます。全国の校長先生にぜひチャレンジしていただけるよう、私たち一人ひとりも情報を広げていかなければならないと思います。

 

まず、この学校はかつては荒れていたそうです。西郷先生が赴任後改革をすすめた結果、現在も進行形ですが…

・校則がない…ということは、制服もない、持ち物の規制もない

・チャイムがない、何時に来ても帰ってもいい

・教室に入りたくなければ入らなくてもよい

 →職員室前の廊下に用意した机で勉強したり、ハンモックに揺られてもいい。

・校長室も出入り自由

・黒板の写真撮影もOK

 

と、とても自由なんです。

自由というと野放しのように聞こえますが、もちろんちゃんとした基本があるのです。

西郷先生は、「楽しさを知らなければ、幸福を追求することはできない。だから、楽しい3年間を過ごしてほしい。」というミッションをお持ちです。

なので、校則の代わりに

 

「礼儀を大切に

出会いを大切に

自分を大切に」

というきまりを設けています。

そして、生徒手帳に子どもの権利条約の一部を掲載しています。

特に管理教育といわれる学校には、子どもの権利はあってないようなもの、治外法権といわれることもあります。

西郷先生は、学校の中だから許されるというのは社会ではあり得ない、場合によっては警察のお世話になることも必要というお考えで、例えば生徒の物がなくなって見つからなければ、警察に連絡するそうです。

社会では当たり前のことが、学校の中では当たり前ではない、かつて社会では当たり前だったが今ではそうでないことも、学校の中ではまだ当たり前…ということを見直した結果の一つなのでしょう。

 

そして、先生が生徒を一人の人間として大切にするというお考えです。代わりに、生徒にも自分の意見をみんなの前でもきちんと言えることを求めています。

そこで、生徒会で決まったことは必ず実現するよう先生が全力でサポートします。

実際に、定期テストの廃止(千代田区麹町中学校がすでにしていますね)、

体育館の冷房化、などが実現したそうです。

体育館の冷房化は、教室もそうですが、生徒会が声をあげなくても全国的にやるべきだと思います。体育館は避難所としても使うため、エアコンがついていないと地域の人たちも困るはずです。人が集まるところなのにエアコンがついていない場所って、今の時代にそんなにないのではないでしょうか。予算を最優先でつけてほしいです。日本は教育にお金をかけなさすぎです。

 

教室の黒板の写真撮影がOKというのは、携帯持ち込み可の高校では普通にあると聞いたことがありますが、西郷先生は、特別支援の考え方を応用されています。

板書を写すことが困難であったり、精一杯で授業の内容が理解できない、だったら、授業の内容にもっと集中できるようにしようということです。

特別支援を、特別支援の生徒だけでなく全員に適応しようという考えは、「みんなの学校」の木村泰子先生とつながりますね。

 

さらに、この学校には、「ゆうゆうタイム」というのがあります。

これは、「好きな先生を指名して語り合える」という時間。指名されず人気がなかった先生は、大変苦痛な時間になるでしょう(苦笑)。でも、指名されるようになるにはどうしたらいいのか考えるきっかけになります。つまり、「生徒のために」先生はどうすればよいのか、という本来の先生の姿がこの学校では見られるということです。

 

「教師が生徒に本気で愛情をもって、ひとりの人間として対等に接すれば、子どもにはちゃんと伝わるのだと思います」(女性セブン2019/3/14号より)

と西郷先生はおっしゃっています。

 

 すばらしいですね。校長先生のお考え次第で学校が変わる。こういう校長先生が増えてほしいです。